◎ニューエイジ・ミュージックとは

 

僕の作曲しているニューエイジミュージックというジャンルについて、紹介しようと思います。

 

ニューエイジミュージック(以下ニューエイジと略)CD ショップへ行くと、ニューエイジと記載されるほかに、ヒーリング、リラクゼーション、BGM、イージーリスニングといったジャンル名で呼ばれていることが多いです。

 

多くはクラシックやジャズコーナーのとなりに並んでいて、厳密には、くわしいジャンル分けは難しいとされます。

それはクラシックの曲をポップ風にアレンジしたものや、映画音楽の名曲を集めたものなども、一緒に並べられたりすることがあるからです。

 

一般的にニューエイジの代表的なアーティストとされる方として、次のような音楽家が挙げられます。

 

(シンセ系アーティスト)

喜多郎、姫神、センス、ヴァンゲリス、ヤニーなど

 

(映像・映画音楽系アーティスト)

久石譲、岩代太郎、千住明、羽毛田丈史など

 

(ピアニスト系アーティスト)

倉本裕基、加古隆、西村由紀江、アンドレ・ギャニオン、ジョージ・ウィンストンなど

 

(独奏楽器や民族楽器系アーティスト)

葉加瀬太郎(バイオリン)、宗次郎(オカリナ)、東儀秀樹(雅楽)、ジャー・パンファン(二胡)、チェン・ミン(二胡)、ポール・ウィンター(サックス)など

 

(ヴォイス・ヴォーカル系アーティスト)

菅井えり、エンヤ、アディエマス、リベラなど

 

(レーベル)

ウィンダム・ヒル、パシフィック・ムーンなど

 

 

ニューエイジミュージックの最大の特徴は、インストゥルメンタル(器楽演奏)音楽がメインのジャンルであると言えます。

 

歌が入る場合も、ポップスや歌謡曲のように“歌詞”が重要な部分になるのではなくて、あくまで個性的なヴォイスサウンドとしての歌声が重要視されます。(つまり歌声も楽器の一つという考え方。例えば、エンヤやリベラのような透明感や、アディエマスや姫神ヴォイスのような民族音楽的なコブシなど)

 

そして、全体的に穏やかでゆったりとした気分になれる音や、美しいメロディーを重視した作品が多いと言えます。

また、リズミックな曲の場合でも、民族音楽的なリズムや打楽器を取り入れることが多いです。

 

このように、ニューエイジミュージックは静かでメロディック、もしくはリズムが入っても決して激しいものではないという特徴が挙げられます(もちろん例外もあります)

 

こうしたことから、J-POP の曲をピアノソロにアレンジ・演奏したものや、クラシックの名曲をエスニックな楽器で演奏したものの CD なども、CD 屋さんへ行くとニューエイジのコーナーに並べてあることがあります。

 

ニューエイジというジャンル分けが難しいとされると前述しましたが、いかなるジャンルの音楽でもアレンジによって、ニューエイジミュージックとなり得るといえるからです。

 

 

また、よくヒーリングミュージックと同一視されますが、厳密には異なると思います。

 

ヒーリングミュージックは、作曲の前提において、音楽によって精神を鎮め心を癒すということを最大の目的に作っている感があります。(その代表格が、宮下富実夫氏の作品)

しかし、ニューエイジミュージックは必ずしもそのような目的ばかりではありません。

 

ニューエイジは、あくまで音楽的に美しいメロディーを追求したり、美しい音楽を追求して作るということを、最重要視して作られている感があります。

そのように音楽性で美を追求することの結果として、癒しの部分は付随されているといえます。

 

ただ、作曲時のアプローチ・考え方は異なりますが、ヒーリングミュージックとニューエイジ、それぞれの作品の音楽性自体は非常に近いものになっており(ゆったりとした雰囲気や穏やかな曲調など)、こうしたことからヒーリングとニューエイジは同じカテゴリーに分類されるのかもしれません。

 

 

次に、ニューエイジミュージックのもう一つの特徴として、そのテーマ性が挙げられます。

 

一般のポップスなどが、恋愛など普段の実生活に身近なことがテーマになることが多いのに対して、ニューエイジで主に取り上げられるテーマは、自然や宇宙、生命、もしくは歴史や古代文明、神話や文学といったテーマが主に扱われます。

 

とはいえ、決して堅苦しいものではなく、あくまで聴きやすいメロディーや美しいサウンドで表現されています。

 

ニューエイジミュージックとは、一言で言うと、自然・宇宙・歴史・文学などをテーマとして、透明感のあるサウンドや美しいメロディーで表現したインストゥルメンタル音楽、もしくはヴォイスサウンドと器楽による音楽と言えます。

 

 

次に、ニューエイジミュージックと映像との関わりについて解説します。

ニューエイジミュージックと映像音楽・映画音楽とは非常に密接な関係があります。

 

ニューエイジを普段専門としているアーティストが映画や映像作品の音楽を担当したり、普段映画・映像音楽で活躍しているアーティストがニューエイジ色のあるアルバムを出したりするケースがとても多いです。また、映画・映像作品のサウンドトラックもニューエイジとして聴くこともできると言えます。

 

前者の例としては、喜多郎(映画「天と地」「宗家の三姉妹」・TV「シルクロード」等)やヴァンゲリス(映画「炎のランナー」「南極物語」等)などが、後者の例としては、久石譲(アルバム「Piano Stories」シリーズ等)や岩代太郎(アルバム「All Alone」「Tact」等)などが挙げられます。

 

ニューエイジは基本的にはインストゥルメンタル音楽であり、また映画・映像のサントラ・劇伴音楽も基本的にインストゥルメンタル音楽が中心であることから、ニューエイジミュージックの愛好家には映画音楽も好んで聴く方が多いようです。また、それぞれの音楽性も

例えばメロディーを重視したものや情景描写した音楽が多く、非常に近いものがあると思います。

 

TV 番組の BGM に関しては、もっとも典型的なものを挙げると、NHK スペシャルの音楽はニューエイジミュージックであると言えます。

 

実際 NHK スペシャルはニューエイジ系アーティストの登竜門といえる番組で、NHK スペシャル(前身の NHK 特集を含めて)の音楽を担当して、ブレイクしたり飛躍したアーティストは数多くいます。

 

何人か例を挙げると、先述の喜多郎「シルクロード」「四大文明」の他、宗次郎「大黄河」、久石譲「驚異の小宇宙 人体」、加古隆「映像の世紀」、岩代太郎「海 知られざる世界」、東儀秀樹「宇宙 未知への大紀行」、センス「故宮」、姫神「ぐるっと海道3万キロ」、吉田潔「日本人 はるかな旅」など現在ビッグネームとなっている方たちがたくさん見受けられます。

 

このように、ニューエイジと映画・映像音楽はとても関係の深いジャンルであると言えます。

 

 

ニューエイジ音楽の概略について解説しましたが、実際にニューエイジを手がけている音楽家の中には、自分の音楽が“ニューエイジ”と呼ばれたり、カテゴライズされることを好まない傾向の人が多かったりします。

 

また、ニューエイジというジャンル名は、元々はアメリカの音楽業界が呼び始めたものです。(グラミー賞でもニューエイジ部門が創設されています)

ですので、日本の一般世間では、“ニューエイジ・ミュージック”と言っても、あまりよく意味が通じない、イメージしてもらえないという感じがします。むしろ、“ヒーリング”と言った方が、なんとなく通じやすいので、便宜上ニューエイジの音楽であっても“ヒーリング音楽”と呼んだりしています。

 

そんなこともあり、ヒーリングとニューエイジが、さらにより同一ジャンルにされてしまっていると言えます。

とは言え、そこまで厳密に考える人は少なく、また問題視する必要もあまりないのではないかと思います。

 

いい音楽を心から楽しんで、それが癒しにつながるのであれば、ヒーリングと呼ばれようがニューエイジと呼ばれようが、どちらでも構わない気もします。

 

 

また、日本語には、このジャンル名をもっと的確に表現する言葉があります。

それが、“癒し系音楽”という呼び方だと思います。

 

おそらく、日本の一般世間においては、ニューエイジとかヒーリングとか言うよりも、“癒し系音楽”と言った方が、イメージしてもらいやすく最も分かりやすい表現なのではないかと思います。

 

そういったことから、自分自身は、癒し系音楽(ヒーリング・ニューエイジ)という書き方や、ヒーリング・ニューエイジ音楽(癒し系音楽)といった書き方をするようにしています。