◎宗次郎コンサート~2022年12月11日群馬・館林コンサート・レポート

令和4年12月11日(日)に開催の、群馬県館林市での宗次郎さんコンサートのレポート記事です。

 

泊まりがけの遠出となったのは3年ぶりのことでした。

 

館林にまで行った理由の一つは、この年の10月1日に発売されたニューアルバム『オカリーナの森・心象スケッチ』を入手するため、もう一つは、宗次郎さんの生まれ故郷である館林市を訪問し、宗次郎さんが幼少~青春期を過ごした街を見てみたいと思ったからです。

 

新作アルバム自体は、宗次郎さんのオンラインショップで通販でも入手は可能でしたが、やはりコンサートで購入し、サイン会で宗次郎さんにサインを頂きたいという思いが強かったこともあります。また、アルバムは10月1日発売でしたが、その後宗次郎さんのコンサートは関西では全く予定されておらず、ほとんど関東での公演しか予定されていませんでした。

 

そういうことならば、どうせ出向くのならば、宗次郎さんの故郷である館林に行ってみたいと思った次第であります。

 

そんな訳で、12月11日。

大阪府の地元の街から近鉄とJR、そして新幹線を乗り継いで東京に出て、そこから在来線の上野東京ラインの電車に乗り、埼玉県の久喜で東武線に乗り換えて、群馬県館林市に向かいました。実は、群馬県を訪れるのは今回が初めてで、東武電車にも初めて乗りました。

 

館林駅を降り立つと、駅前の通りの店などに、今夜開催の宗次郎さんのコンサートのポスターがあちこちに貼ってあり、宗次郎さんのホームタウンにやって来たんだなあという思いと印象を強く受けました。

 

ホテルに荷物を置いてから、コンサート会場の館林市文化会館カルピスホールへと向かいました。

 

少し時間があったので、館林市の名所の一つ・つつじが岡公園を訪問したりして時間を過ごしました。

そして、開場時間が迫り、カルピスホールに行くと、入場待ちの人で行列ができていました。

 

さすがに、宗次郎さんの故郷だけあって、たくさんの人々が宗次郎さんの演奏を楽しみに集まっているんだなあ…と感心しつつ、列に並びました。

 

ホールに入ると、CD販売をしていたので、お目当ての新作アルバム『オカリーナの森・心象スケッチ』を購入しました。

 

いよいよ、開演時間の17:30が迫り、ホール内に入りました。

コンサートは第1部と第2部からなり、第1部は過去のアルバムからの名曲・定番曲が披露されました。

 

オープニングは、代表作である「大黄河」でダイナミックに幕開け。

 

そこから、宗次郎さんによるオカリナについての説明があり、童謡の「ふるさと」が披露されました。

 

その後、前作アルバムからの「昔むかしの物語を聴かせてよ」や、「凪」「真夜中のダンス」が演奏されました。

 

その次に演奏されたのが、アルバム『土の笛のアヴェ・マリア』より「至福の海」でした。

大好きな曲なのですが、あまりコンサートで生で披露される機会がなかった曲でしたので、とても嬉しかったです。

 

今回のコンサートの編成は、キーボード・ギター・パーカッション・バイオリンに加え、普段は編成に入ることのない2人のフルートが参加していました。フルートの音色とオカリナの絡みも楽しめる演奏会だったことも特筆すべきものでした。

 

その後、定番の「コンドルは飛んでいく」と「天空のオリオン」が披露され、第1部は幕となりました。

 

第2部は、おそらく“オカリナ奏者”としての宗次郎さんの演奏を期待して来ている方には、もしかしたら「…!?」となってしまうかもしれない、“歌手”としての宗次郎さんのステージからスタートとなりました。

 

自分自身は、宗次郎さんがオカリナを始める以前、高校~20歳くらいの若い頃に、ギターで弾き語り・フォークシンガーを志して活動しておられたのを知っていましたし、今回のコンサートのポスターも「宗次郎が奏で“歌う”コンサート」と書いてあったので、何となく察してはいましたが、そのことを知らない方からすると、オカリナを吹くのではなく歌を歌う宗次郎さんに驚かれたかもしれませんね。

 

宗次郎さんも、いきなり歌いだすのではなく、第2幕が始まったらまず、自分がかつてフォークソングを歌っていた時期があったことを説明し、今回は特別に「歌う」プログラムを用意していますのでご了承願いますと客席に呼び掛けた上で、第2部が始まりました。

 

まず1曲目は、1997年にリリースされたライブ・アルバム『acostic world 42』にボーナストラックとして収録されていた「風に向かって」。(現時点で、CDに収録されている宗次郎さんの“歌”は、この1曲のみです)

 

歌い終わった後、宗次郎さんが気をつけの姿勢をして「ご清聴ありがとうございました」と一礼すると、観客席から笑い声も上がりました。さらに、申し訳ないが1曲だけでなく、あと2曲ほど「歌」を披露させてもらうことを観客席に呼び掛けられて、2曲目の紹介に移りました。

 

2曲目は、ご自身が子供の頃過ごした館林の田園地帯の風景から着想して、作詞作曲された「もみがらの山」。

曲名は、何となくイモ臭いタイトルの歌ではありますが、内容はいたって真面目な歌詞で、館林の畑や田園風景への愛や郷愁を歌った曲でした。そして、“歌手”としての宗次郎さんの3曲目として、故郷・館林のことをテーマにした「館林の歌」が披露されました。

(他所ではやりませんので、今回だけお許しください的なニュアンスでMCをされていましたが、観客席はまんざらでもない感じで、皆さん宗次郎さんの歌声に耳を傾けておられました)

 

さて、実際に生で聴いた宗次郎さんの歌ですが、歌手として成功して売り出した方ではありませんので、プロ級の歌い手としてコンサートホールで金を出して聴けるものか?と言われれば、「…。」となってしまいますが、それなりに味のある歌声ではあったと記しておこうと思います。

 

でもやはり、宗次郎さんの本領発揮はオカリナ演奏。

 

ということで、第2部の4曲目からは再びオカリナを手に、新作アルバム『オカリーナの森・心象スケッチ』の曲を中心に披露されました。

 

アルバムの1曲1曲について、詳しく説明されながら、新作から「りんどうの花開いて」「月夜のダンス」「人生は悲しいものだけれど」「今から明日へ」の4曲が披露されました。

 

オカリーナの森に咲くりんどうの花から着想を得た曲や、深夜のオカリーナの森に棲む小動物たちの姿にイメージを膨らませた曲などです。個人的には、「りんどうの花開いて」が美しいメロディーの曲でとても気に入りました。

 

そして、いよいよ最後の曲は、定番曲の「故郷の原風景」。

宗次郎さんの故郷で聴くこの曲も、大変味わい深いものでした。

 

ここからはアンコール曲。

アンコール曲の1曲目は、アルバム『Japanese Spirit』から、タイトル曲である「Japanese Spirit」が演奏されました。

 

この曲が、宗次郎さんのコンサートで披露されるのを生で聴くのは、初めてでした。

個人的にもこのアルバムはよく聴く方なので、これは嬉しいものでした。

 

しかも、アルバムでは民謡歌手の伊藤多喜雄さんが歌っているパートを、この日の公演のバージョンでは、再び“歌手”の宗次郎さんとなって、自らの歌声で披露されました。(と言うわけで、この日“歌手”宗次郎さんとして歌ったのは、合計4曲でした)

 

そしてアンコール2曲目。

この日の公演の最後の曲は、新アルバムの中より「歩き出して吹き飛ばして」が披露されました。

コロナ禍を吹き飛ばして、前を向いて歩きだそうという宗次郎さんの思いが伝わる曲でした。

 

大盛況のうちに終わった、宗次郎さんのホームタウン・館林でのコンサート。

終演後のサイン会にでは、新アルバムにサインをしていただきました。

 

<宗次郎オカリナコンサート~歩き出して吹き飛ばして~館林市文化会館カルピスホール>

◎プログラム

(第1部)

大黄河

ふるさと

昔むかしの物語を聴かせてよ

感謝の歌

真夜中のダンス

至福の海

コンドルは飛んでいく

天空のオリオン

 

(第2部)

風に向かって

もみがらの山

館林の歌

りんどうの花開いて

月夜のダンス

人生は悲しいものだけれど

今から明日へ

故郷の原風景

 

(アンコール)

Japanese Spirit

歩き出して吹き飛ばして

 

 

翌日は、旅のもう一つの目的である、宗次郎さんの生まれ育った場所をめぐる散策を楽しみました。

 

駅前でレンタサイクルを利用し、まずは、宗次郎さんの母校である館林高校に向かいました。

もちろん中には入れませんが、校庭やグランドの周りをぐるりと一周して、この地で宗次郎さんがフォークシンガーへの夢を育んだりした青春時代を過ごしたんだなあと、若き日の宗次郎さんの姿に想いを馳せました。

 

続いて、宗次郎さんの生まれ育った場所、館林の多々良沼周辺地域へ向かいました。

 

前日のコンサートのMCで紹介されておられた通り、辺りはのんびりとした田園地帯でした。

 

この畑道を、少年時代の宗次郎さんも歩いたんだなあと、感慨深いものがありました。

少年時代の宗次郎さんと言えば、よく多々良沼の夕日を見に行っておられたそうです。

 

多々良沼周辺は、ちょっとした観光地としてきれいに整備された公園で、沼の周りをのんびりとサイクリングしながら、宗次郎さんの音楽の原風景となったであろう、この辺りの自然の光景を眺めて楽しみました。

 

途中、沼のほとりで白鳥の群れに出くわしました。

多々良沼は、白鳥の越冬地で、ちょうど群れがエサなどを食べて休んでいるところでした。


 

多くの生き物が暮らす多々良沼は、宗次郎さんの自然への感性を育んだ場所なんだなあということが、実際に訪れてみて、とてもよく分かりました。

 

その後、館林駅へと戻り、帰りの電車に乗り大阪への帰途につきました。

宗次郎さんの生まれ育った町・館林を巡る旅、大変充実した旅程を過ごすことができました。

 

このコンサートで手に入れることができた、宗次郎さんの新作アルバム『オカリーナの森・心象スケッチ』のレビューも公開中です。

下記リンクより、ぜひお読みください!

 

『オカリーナの森・心象スケッチ』レビュー